「エンジニアになるために、何か資格を取ったほうがいいのだろうか」――未経験からITエンジニアを目指す方の多くが、一度はこう考えるのではないでしょうか。
ITエンジニアの仕事は、医師や弁護士のように資格がなければできない仕事ではありません。しかし、未経験者にとって資格は、知識を体系的に学べるうえに、学習意欲を客観的に示せる心強い武器になります。
この記事では、未経験からエンジニアを目指す方におすすめの資格を5つ厳選してご紹介します。あわせて、自分に合った資格の選び方や、勉強を続けるためのコツも解説します。
目次
未経験者が資格を取るメリット
まずは、未経験者が資格を取ることでどのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。
基礎知識を体系的に身につけられる
独学でIT知識を学ぼうとすると、何から手をつければよいのか迷ってしまいがちです。資格試験には出題範囲が決まっているため、それに沿って学習を進めることで、必要な基礎知識を順序立てて身につけることができます。
学習意欲や継続力をアピールできる
実務経験のない未経験者の選考では、「入社後にしっかり学び、成長してくれるか」が重視されます。資格の取得は、自ら目標を立てて学習をやり遂げた証拠になるため、学習意欲や継続力を伝える材料になります。
入社後の業務の理解が早くなる
資格の勉強で身につけた用語や仕組みの知識は、入社後の研修や実務でも役立ちます。先輩の説明を理解しやすくなり、スムーズに業務を覚えられるでしょう。
未経験者におすすめの資格5選
ここからは、未経験からエンジニアを目指す方におすすめの資格を5つご紹介します。
1. ITパスポート試験
ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。ITに関する基礎知識に加えて、経営戦略やマネジメントなど、社会人として知っておきたい幅広い知識が問われます。IT系の国家試験の中では入門的な位置づけのため、ITの勉強をこれから始める方の最初の目標にぴったりです。
2. 基本情報技術者試験
基本情報技術者試験も、IPAが実施する国家試験です。「ITエンジニアの登竜門」といわれ、コンピューターの仕組みやネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズムなど、エンジニアとして必要な基礎知識を幅広く学べます。ITパスポートよりも難易度は上がりますが、その分、取得すれば基礎がしっかり身についていることのアピールになります。
3. CCNA
CCNAは、ネットワーク機器の大手メーカーであるシスコシステムズが認定する資格です。ネットワークの仕組みや、ルーター・スイッチなどの機器の設定に関する知識が問われます。ネットワークエンジニアやインフラエンジニアを目指す方に特におすすめの資格で、実務に直結する知識を学ぶことができます。
4. LinuC(リナック)
LinuCは、Linuxの技術力を認定する資格です。Linuxは多くのサーバーで使われているOSのため、インフラエンジニアにとって欠かせない知識です。レベル1から段階的に学べる構成になっているため、未経験の方はまずレベル1の取得を目標にするとよいでしょう。
5. AWS認定 クラウドプラクティショナー
AWS(Amazon Web Services)は、世界中で広く利用されているクラウドサービスです。クラウドプラクティショナーはAWS認定資格の中で基礎レベルにあたり、クラウドの基本的な考え方や、AWSの主なサービスの特徴について問われます。クラウドを利用する企業が増えている今、これから学んでおきたい分野のひとつです。
5つの資格の比較
ここまでご紹介した5つの資格を一覧にまとめました。
| 資格名 | 実施・認定団体 | 主な分野 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| ITパスポート試験 | 情報処理推進機構(IPA) | IT全般・経営の基礎 | 入門 |
| 基本情報技術者試験 | 情報処理推進機構(IPA) | IT全般・エンジニアの基礎 | 基礎 |
| CCNA | シスコシステムズ | ネットワーク | 基礎 |
| LinuC | LPI-Japan | Linux・サーバー | 基礎(レベル1) |
| AWS認定 クラウドプラクティショナー | Amazon Web Services | クラウド | 入門 |
試験の日程や受験料、出題範囲は変更されることがあります。受験を決めたら、必ず各団体の公式サイトで最新の情報を確認しましょう。
目指す職種別の資格の選び方
どの資格を選ぶべきかは、目指す職種によって変わります。以下を参考に、自分の目標に合った資格を選びましょう。
| 目指す方向性 | おすすめの資格 |
|---|---|
| まだ職種を決めていない | ITパスポート試験、基本情報技術者試験 |
| 開発エンジニア | 基本情報技術者試験 |
| インフラエンジニア(サーバー) | LinuC |
| インフラエンジニア(ネットワーク) | CCNA |
| クラウドエンジニア | AWS認定 クラウドプラクティショナー |
まだ方向性が決まっていない場合は、IT全般の基礎を学べるITパスポート試験や基本情報技術者試験から始めるのがおすすめです。勉強を進める中で、自分がどの分野に興味を持てるのかが見えてくることもあります。
資格の勉強を続けるためのコツ
働きながら資格の勉強を続けるのは、決して簡単なことではありません。挫折せずに合格を目指すためのコツを押さえておきましょう。
- 試験日を先に決める:ゴールが決まると、逆算して学習計画を立てやすくなります。
- 毎日少しずつでも続ける:週末にまとめて勉強するよりも、1日30分でも毎日続けるほうが知識が定着しやすくなります。
- 過去問や問題集を活用する:出題の傾向をつかみ、理解が不十分な分野を把握するのに役立ちます。
- 学んだ内容を実際に試してみる:LinuxやAWSなどは、実際に操作してみることで理解が深まります。
教材の選び方
資格の勉強に使う教材は、大きく分けて「参考書」「問題集」「オンラインの学習サービス・動画講座」の3種類があります。
まずは、図解が多く初心者向けに書かれた参考書を1冊選び、全体をひととおり読んで試験範囲の全体像をつかみましょう。そのうえで問題集や過去問に取り組み、間違えた部分を参考書に戻って復習するというサイクルを繰り返すのが効率的です。文章だけで理解しにくい分野は、動画講座を活用すると理解しやすくなります。
教材をたくさん買い込むよりも、1冊を繰り返し使って確実に理解することを意識しましょう。
資格を取るときの注意点
資格は未経験者にとって心強い武器ですが、注意しておきたい点もあります。
まず、資格を持っているだけで採用が決まるわけではないということです。企業が見ているのは、資格そのものよりも、その過程で身につけた知識や、目標に向かって努力できる姿勢です。面接では「なぜその資格を選んだのか」「どのように勉強を進めたのか」を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
また、資格の取得にこだわりすぎて、転職活動を始める時期が遅くなってしまうのも避けたいところです。研修制度が充実した企業であれば、入社後に基礎から学ぶこともできます。資格の勉強と並行して、情報収集や転職活動を進めていくのがおすすめです。
資格を転職活動でアピールする方法
せっかく取得した資格も、伝え方次第で評価が変わります。応募書類や面接では、次のポイントを意識してアピールしましょう。
- 資格を選んだ理由を伝える:「インフラエンジニアを目指しているため、まずはLinuxの基礎を固めたいと考えLinuCを選んだ」など、目標とのつながりを示します。
- 勉強の進め方を具体的に話す:どのような計画を立て、どれくらいの期間、どんな教材で勉強したのかを伝えると、継続力や自己管理力が伝わります。
- 勉強中の資格も書いてよい:まだ合格していなくても、「〇〇の取得に向けて勉強中」と伝えることで、現在進行形の学習意欲をアピールできます。
- 次の目標も伝える:「次は〇〇の資格に挑戦したい」と今後の計画を示すと、入社後も学び続ける姿勢が伝わります。
よくある質問
資格がなくてもエンジニアに転職できますか?
はい、資格がなくてもエンジニアに転職することは可能です。未経験者の採用では、資格の有無よりも、学習意欲や人柄、エンジニアを目指す理由などが重視されることが多いためです。ただし、資格は学んだ知識を客観的に示せる手段のひとつなので、取得していれば選考でプラスに働くことがあります。
勉強期間はどれくらい必要ですか?
必要な勉強期間は、資格の難易度や、もともと持っている知識、1日に確保できる時間によって大きく変わります。まずは公式サイトで出題範囲を確認し、参考書の分量を見ながら、自分のペースで無理のない計画を立てることが大切です。
まとめ
資格は、未経験からエンジニアを目指す方にとって、基礎知識を身につけながら学習意欲をアピールできる有効な手段です。まずは目指す職種の方向性を考え、自分に合った資格を選んで学習を始めてみましょう。
「どの資格から始めればいいかわからない」「資格の勉強と転職活動をどう両立すればいいか相談したい」という方は、TECH STARTのアドバイザーにお気軽にご相談ください。あなたの状況に合わせて、エンジニアへの最適なステップをご提案します。

