転職ノウハウ

未経験エンジニアの求人が怪しいと言われる理由は?避けたい求人の見分け方とチェックポイント

求人票を虫眼鏡で確認し、注意マークに気づく人のイラスト

「未経験OKのエンジニア求人を見ていると、条件が良すぎて逆に不安になる」「未経験エンジニアの求人は怪しい、ブラックが多いという話を聞いて、応募をためらっている」という方は少なくないのではないでしょうか。初めての業界だからこそ、どの求人を信じてよいのか判断しにくいものです。

たしかに、未経験OKのエンジニア求人の中には、仕事内容や労働条件の説明が不十分なものもあります。一方で、「怪しい」と感じる理由の多くは、IT業界ならではの採用事情や働き方の仕組みを知らないことから生まれています。不安の正体を分解して、確認すべき点を一つずつ押さえていけば、避けたい求人と安心して応募できる求人は見分けられます。

この記事では、未経験エンジニアの求人が怪しいと言われる主な理由と、その背景を公平に解説します。あわせて、SESという働き方の正しい理解、研修費用の返還や固定残業代で注意したい点、求人票・面接・口コミで確認したいチェックポイントを、表とチェックリストで整理します。

目次
  1. 未経験エンジニアの求人が「怪しい」と言われる主な理由
    1. 一年中、大量に募集している
    2. 給与の幅が広すぎる
    3. 仕事内容の説明があいまい
    4. 研修費用の返還に関する条件がある
    5. 固定残業代が給与に含まれている
    6. 客先常駐の実態がわかりにくい
    7. 「誰でも」「すぐに稼げる」など魅力的すぎる表現がある
  2. SESは「やばい」?働き方の仕組みを正しく理解する
    1. SESとは
    2. SESが「やばい」と言われる理由
    3. SESで経験を積むメリット
    4. SESの会社を見極めるポイント
  3. 研修費用の返還と固定残業代で注意したいポイント
    1. 研修費用の返還条件
    2. 固定残業代
    3. 労働条件は書面で確認する
    4. 試用期間中の条件もあわせて確認する
  4. 未経験エンジニア求人の見分け方:求人票のチェックポイント
  5. 面接で確認したい質問とチェックポイント
    1. 面接で聞いておきたい質問例
    2. 面接中に注意したいサイン
  6. 口コミ・企業情報で確認したいポイントと注意点
    1. 口コミは傾向をつかむために使う
    2. 企業の公開情報を確認する
  7. 避けたい求人を見分けるチェックリスト
    1. 応募前のチェックリスト
    2. 面接時のチェックリスト
    3. 内定後のチェックリスト
    4. 一人で判断が難しいときは第三者の力を借りる
  8. 未経験エンジニアの求人に関するよくある質問
    1. 未経験OKのエンジニア求人はブラック企業が多いのですか?
    2. SESの会社には入らないほうがよいのでしょうか?
    3. 研修費用の返還条件がある求人には応募しないほうがよいですか?
    4. 固定残業代が45時間分の求人は、毎月45時間残業があるのですか?
    5. 怪しいと感じた求人に応募してしまった場合はどうすればよいですか?
  9. まとめ

未経験エンジニアの求人が「怪しい」と言われる主な理由

まずは、未経験OKのエンジニア求人が「怪しい」「ブラックでは」と言われやすい理由を見ていきましょう。ここで紹介する特徴は、どれもそれだけで悪い求人と決めつけられるものではありません。背景を知ったうえで、確認すべき点を把握することが大切です。

一年中、大量に募集している

同じ企業の求人がいつ見ても掲載されていて、「毎年数十名を採用」などと書かれていると、「人がすぐ辞めるから常に募集しているのでは」と不安になるかもしれません。

実際には、IT人材の不足を背景に、未経験者を継続的に採用して育てる方針をとっている企業も多くあります。経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)では、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足する可能性があると試算されています。事業の拡大に合わせて採用人数を増やしている企業であれば、大量募集は成長の表れともいえます。

ただし、採用人数に対して社員数があまり増えていない場合は、入社と同じくらい退職者がいる可能性もあります。従業員数の推移や平均勤続年数、未経験入社の社員の定着状況を確認すると、判断材料になります。

給与の幅が広すぎる

「月給20万円〜50万円」のように、給与の下限と上限の差が大きい求人もよく見かけます。上限の金額に目を引かれて応募したものの、実際の提示額は下限に近かったというケースは珍しくありません。

給与の幅が広いのは、経験者と未経験者を同じ求人で募集していたり、スキルに応じて給与を決める仕組みだったりするためです。それ自体は不自然なことではありませんが、未経験者の場合は下限に近い金額からスタートするのが一般的と考えておくと、入社後のギャップを防げます。未経験入社の場合の想定年収や、昇給の実績を確認しておきましょう。

仕事内容の説明があいまい

「IT関連業務全般」「システムエンジニア業務」「案件により異なる」など、具体的に何をするのかがわからない求人は、不安を感じやすいものです。

案件ごとに担当業務が変わる会社では、求人票に仕事内容を細かく書きにくいという事情もあります。しかし、エンジニア職として採用されたのに、実際には家電量販店での販売やコールセンター業務が中心だったというケースも聞かれます。入社後に最初に担当する業務の具体例と、その後のステップを必ず確認しましょう。

研修費用の返還に関する条件がある

「研修費用は会社負担。ただし一定期間内に退職した場合は返還」という条件が付いている求人もあります。無料で研修を受けられると思っていたのに、早期に退職すると高額な費用を請求されるのではと心配になる方もいるでしょう。

研修費用の返還については、労働基準法上の注意点があるため、次の章で詳しく解説します。応募の段階では、返還条件の有無と、その内容が書面で明示されているかを確認することが大切です。

固定残業代が給与に含まれている

「月給25万円(固定残業代45時間分を含む)」のような表記を見て、「毎月45時間の残業があるのでは」と不安になる方もいます。

固定残業代は、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めて支払う仕組みで、制度そのものは多くの企業で使われています。問題になりやすいのは、何時間分でいくらなのかが明示されていないケースや、固定残業時間を超えた分が支払われないケースです。こちらも次の章で詳しく解説します。

客先常駐の実態がわかりにくい

未経験OKのエンジニア求人には、お客様先の現場で働く「客先常駐」の求人が多くあります。勤務地が「プロジェクトにより異なる」「東京23区内のお客様先」などと書かれていると、どこで何をするのか見えにくく、不安を感じるかもしれません。

客先常駐の働き方は、後ほど解説するSESという契約形態と深く関係しています。働き方自体は一般的なものですが、配属先の決まり方や、会社のサポート体制は企業によって大きく異なります。

「誰でも」「すぐに稼げる」など魅力的すぎる表現がある

「学歴・経験不問、誰でも月収40万円以上」「3か月で一人前のエンジニアに」など、魅力的すぎる表現が並んでいる求人には注意が必要です。エンジニアとして一人前になるには、一般的に数年単位の経験が必要とされます。短期間で大きな成果を約束するような表現は、根拠を確認したうえで冷静に判断しましょう。

ここまでの理由を、背景と確認したいことに分けて整理すると、次のようになります。

怪しいと感じる点そう見える背景確認したいこと
常に大量募集している人材不足で未経験者を継続採用している企業も多い従業員数の推移、平均勤続年数、定着状況
給与の幅が広すぎる経験者と未経験者を同じ求人で募集している未経験入社時の想定年収、昇給の実績
仕事内容があいまい案件ごとに業務が変わり書きにくい最初に担当する業務の具体例
研修費用の返還条件がある早期退職による研修コストの回収を意図している返還の対象・金額・期間と、書面での明示
固定残業代が含まれている給与計算を簡素化する目的で導入されている固定残業の時間・金額、超過分の支払い
客先常駐の実態が見えにくいSESなど契約形態上、配属先が案件で決まる配属先の決まり方、帰社日や面談などの支援
魅力的すぎる表現応募を集めるための広告表現実績の根拠、実際の年収例やキャリア例

SESは「やばい」?働き方の仕組みを正しく理解する

「SES 未経験 やばい」と検索する方も多いように、未経験OKのエンジニア求人を調べていると、SESに対するネガティブな意見を目にすることがあります。しかし、SESという働き方自体が悪いわけではありません。仕組みを正しく理解しておきましょう。

SESとは

SES(システムエンジニアリングサービス)とは、エンジニアがお客様企業の現場に常駐し、技術的な業務を提供する契約形態のことです。多くの場合、準委任契約という形で結ばれ、成果物の完成ではなく、エンジニアの技術力や作業時間に対して報酬が支払われます。

IT業界には、自社のサービスを開発する「自社開発」、お客様から依頼されたシステムを自社で開発して納品する「受託開発」、そしてSESなど、いくつかのビジネスモデルがあります。それぞれの特徴は次のとおりです。

働き方主な特徴未経験者にとっての利点注意したい点
自社開発自社のサービスを企画・開発・運用する一つのサービスに深く関われる未経験OKの求人は比較的少なく、選考のハードルが高い傾向
受託開発お客様から依頼されたシステムを開発して納品する開発の上流から下流まで幅広く経験できる納期前に業務が集中しやすいことがある
SES(客先常駐)お客様先の現場で技術を提供する未経験OKの求人が多く、さまざまな現場を経験できる配属先によって業務内容や成長環境が変わる

SESが「やばい」と言われる理由

SESにネガティブなイメージがある理由としては、主に次のようなものが挙げられます。

  • 配属先によって、エンジニアとしてのスキルが身につきにくい業務が続くことがある
  • 自社の上司や同僚と顔を合わせる機会が少なく、相談しにくいと感じる人がいる
  • 案件が見つからない期間(待機期間)の扱いが企業によって異なる
  • 複数の会社を経由する多重下請けの構造の中で、自分の立場がわかりにくくなることがある
  • 評価をする自社の上司が、現場での働きぶりを直接見ていないことがある

これらは、SESという契約形態そのものの問題というよりも、会社の案件の選び方や、エンジニアへのサポート体制によって差が出る部分です。キャリアの希望を聞いて配属先を調整してくれる会社や、定期的な面談で状況を確認してくれる会社であれば、SESでも着実に成長していくことができます。

SESで経験を積むメリット

SESには、未経験者にとってのメリットもあります。未経験OKの求人が多く、エンジニアとしてのキャリアをスタートしやすいことは大きな利点です。また、複数の現場を経験することで、さまざまな技術や業界の知識に触れられます。インフラの運用・監視やテスト業務など、手順が整った業務から段階的に経験を積みやすいのも特徴です。

実際に、SESで数年間の実務経験を積んだ後に、社内でより上流の工程を担当したり、自社開発企業へ転職したりする人もいます。最初の数年を「実務経験を積む期間」と位置づけ、目標を持って働くことで、その後のキャリアの選択肢を広げていくことができます。

SESの会社を見極めるポイント

SESの会社を比べるときは、次のような点に注目すると、エンジニアを大切に育てている会社かどうかを判断しやすくなります。

  • 案件を選ぶときに、エンジニア本人の希望やスキルアップを考慮しているか
  • 常駐先で働く社員と、自社の上司や営業担当が定期的に面談しているか
  • 帰社日や社内勉強会など、社員同士が交流し相談できる機会があるか
  • 資格取得の支援制度や、受験費用の補助などがあるか
  • 待機期間中の給与の扱いと、その間の研修や学習の機会が決まっているか
  • 自社がお客様と直接契約している案件がどのくらいあるか

特に、定期的な面談やキャリアの相談の機会があるかどうかは重要です。「今の現場で何を学べているか」「次にどのような業務に挑戦したいか」を一緒に考えてくれる会社であれば、客先常駐でも孤立せずに成長を続けやすくなります。

研修費用の返還と固定残業代で注意したいポイント

未経験エンジニアの求人で特に不安を感じやすいのが、研修費用の返還条件と固定残業代です。ここでは、労働基準法などに関係する注意点を一般論として紹介します。個別のケースの判断は状況によって異なるため、気になる点がある場合は、労働基準監督署などの公的な相談窓口や専門家に相談することをおすすめします。

研修費用の返還条件

労働基準法第16条では、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしたりすることを禁止しています。そのため、「一定期間内に退職したら研修費用を支払う」という取り決めは、内容によってはこの規定との関係が問題になる場合があります。

一方で、研修費用を会社が貸し付け、一定期間勤務すれば返済を免除するという形の取り決めもあり、その有効性は、研修が業務に必要なものか、本人が自由に選択できたか、返還額や期間が妥当かなど、さまざまな事情をふまえて判断されると考えられています。過去の裁判でも、事案によって判断が分かれています。

求職者としては、次のような点を確認しておくと安心です。

  • 返還の対象となる期間は何年か
  • 返還する金額はいくらか、在籍期間に応じて減額されるか
  • 研修の内容が業務に必要なものか、本人が任意で受けるものか
  • 返還条件が労働条件通知書や雇用契約書などの書面に明記されているか

説明を求めてもあいまいな回答しか得られない場合は、慎重に判断したほうがよいでしょう。研修制度そのものの選び方については、研修ありの未経験OK求人の選び方で詳しく紹介しています。

固定残業代

固定残業代(みなし残業代)は、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う仕組みです。制度自体は違法ではありませんが、固定残業時間を超えて働いた分は、別途残業代が支払われる必要があります。

厚生労働省は、求人で固定残業代を採用する場合、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代に関する労働時間数と金額などの計算方法、固定残業時間を超える時間外労働に対して割増賃金を追加で支払う旨を明示するよう求めています。求人票を見るときは、次の点を確認しましょう。

  • 固定残業代が何時間分で、いくらなのかが書かれているか
  • 固定残業代を除いた基本給はいくらか
  • 固定残業時間を超えた分は追加で支払うと明記されているか
  • 実際の平均残業時間は固定残業時間と比べてどのくらいか

たとえば「月給25万円(固定残業代45時間分・約7万円を含む)」であれば、基本給は約18万円です。基本給は賞与や退職金の計算基準になることもあるため、月給の総額だけで判断しないようにしましょう。

労働条件は書面で確認する

労働基準法第15条では、会社は労働契約を結ぶ際に、賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならないと定めています。2024年4月からは、明示すべき事項に「就業場所と業務の変更の範囲」も加わりました。客先常駐の求人では、どの範囲の勤務地や業務があり得るのかを確認する手がかりになります。

内定が出たら、労働条件通知書や雇用契約書の内容が求人票や面接での説明と一致しているかを確認しましょう。内容が違っていたり、書面を出してもらえなかったりする場合は、入社前に必ず確認することが大切です。

試用期間中の条件もあわせて確認する

多くの企業では、入社後の数か月間を試用期間としています。試用期間を設けること自体は一般的ですが、その間の給与や待遇が本採用後と異なる場合があります。たとえば、試用期間中は月給が低めに設定されていたり、一部の手当が支給されなかったりするケースです。

求人票に試用期間の記載がある場合は、期間の長さと、その間の給与や待遇が本採用後と同じかどうかを確認しておきましょう。研修期間と試用期間が重なることも多いため、研修中の給与や、研修中の勤務地がどこになるのかもあわせて確認しておくと、入社後の生活をイメージしやすくなります。

未経験エンジニア求人の見分け方:求人票のチェックポイント

ここからは、未経験エンジニア求人の見分け方を具体的に紹介します。まずは、応募前に求人票で確認したいポイントです。安心しやすい書き方と、確認が必要な書き方を比べてみましょう。

確認項目安心しやすい書き方の例確認が必要な書き方の例
仕事内容「入社後はサーバーの監視業務からスタートし、1〜2年で構築業務へ」など具体的「IT関連業務全般」「案件により異なる」のみ
給与未経験入社時の想定年収や昇給例が書かれている幅が広く、未経験者の想定額がわからない
固定残業代時間数・金額・超過分の支払いが明記されている「残業代込み」とだけ書かれている
研修制度期間・内容・研修後のフォローが具体的「研修あり」とだけ書かれている
研修費用返還条件がない、または条件が明確に書かれている退職時の条件についての記載がない
勤務地主な配属エリアや、常駐先の業界の例がある「全国のお客様先」のみで範囲が不明
会社情報設立年、従業員数、主な取引先が公開されている会社の基本情報がほとんどわからない

すべての項目が完璧に書かれている求人は多くありません。書かれていない項目があれば、それを面接で質問するリストに加えるという使い方がおすすめです。求人の探し方全般については、エンジニア未経験OKの求人の探し方もあわせてご覧ください。

IT業界に詳しいアドバイザーが、求人選びから面接対策までサポート未経験からのエンジニア転職を無料で相談する無料で相談する ›

面接で確認したい質問とチェックポイント

求人票だけではわからないことは、面接で確認しましょう。面接は企業が応募者を見極める場であると同時に、応募者が企業を見極める場でもあります。質問をすることで意欲を伝えることにもつながります。

面接で聞いておきたい質問例

  • 未経験で入社した方は、最初にどのような業務を担当していますか
  • 研修が終わった後、配属先はどのように決まりますか
  • キャリアの希望は、配属先の決定にどの程度反映されますか
  • 常駐先で働いている社員とは、どのくらいの頻度で面談や連絡をしていますか
  • 未経験で入社した方は、3年後にどのような仕事をしていることが多いですか
  • 部署や職種の平均的な残業時間はどのくらいですか
  • 案件が決まっていない期間の給与や過ごし方はどうなりますか

聞き方にも工夫が必要です。「残業は多いですか」と聞くよりも、「入社後に早く成長したいので、実際の働き方をイメージしておきたいです」と前置きしてから質問すると、前向きな印象を与えやすくなります。面接の準備については、面接でよく聞かれる質問と答え方も参考にしてください。

面接中に注意したいサイン

面接での企業側の対応からも、求人の見極めにつながるヒントが得られます。次のような対応があった場合は、慎重に判断しましょう。

  • 質問に対して具体的な回答がなく、話をそらされる
  • 労働条件の説明よりも、「すぐに決めてほしい」と入社の決断を急がされる
  • 面接の場で研修費用や教材費などの支払いを求められる
  • 求人票に書かれていた条件と、面接での説明が大きく異なる
  • 面接が一度だけで、仕事内容の説明がほとんどないまま内定が出る

もちろん、面接官の説明が上手ではないだけという場合もあります。一度の印象で決めつけず、疑問が残った点は内定後の面談などで改めて確認しましょう。

口コミ・企業情報で確認したいポイントと注意点

求人票と面接に加えて、口コミサイトや企業の公開情報も判断材料になります。ただし、情報の受け取り方には注意が必要です。

口コミは傾向をつかむために使う

口コミは、社員や元社員の実際の声を知る手がかりになります。一方で、口コミは個人の主観で書かれており、書いた時期や所属していた部署によって内容は大きく異なります。退職した人が不満を書き込むことも多いため、ネガティブな意見が目立ちやすい傾向もあります。

口コミを見るときは、1つの意見にとらわれず、複数の口コミで同じ内容が繰り返し書かれているか、比較的最近の投稿かを意識しましょう。「研修制度」「配属」「残業」など、自分が気になるテーマごとに読み比べると、傾向をつかみやすくなります。

企業の公開情報を確認する

口コミとあわせて、企業が公開している情報も確認しましょう。確認しやすい項目としては、次のようなものがあります。

  • 公式サイトの会社概要(設立年、資本金、従業員数、所在地)
  • 事業内容や主な取引先、プロジェクト事例
  • 社員インタビューや、未経験入社の社員の紹介
  • 採用ページに掲載されている研修内容や平均残業時間
  • 労働者派遣事業の許可の有無(派遣の形で働く可能性がある場合)

労働者派遣事業の許可を受けているかどうかは、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で確認できます。また、いわゆる若者雇用促進法により、新卒者などの募集では、平均勤続年数や研修の有無、平均残業時間などの職場情報を提供する仕組みが設けられています。公開されていない場合でも、応募者が質問すれば回答してもらえることがあります。

避けたい求人を見分けるチェックリスト

ここまでの内容を、応募前・面接時・内定後に使えるチェックリストにまとめました。当てはまらない項目があれば、確認が必要なポイントとして意識してみてください。

応募前のチェックリスト

  • 入社後に担当する業務の具体例が書かれている
  • 未経験入社時の想定給与がわかる
  • 固定残業代の時間数・金額・超過分の支払いが明記されている
  • 研修の期間と内容が具体的に書かれている
  • 研修費用の返還条件の有無がわかる
  • 会社の基本情報や事業内容が公開されている
  • 「誰でも」「必ず稼げる」など、根拠のない表現に頼っていない

面接時のチェックリスト

  • 質問に具体的に答えてもらえた
  • 研修後の配属の決まり方について説明があった
  • 常駐先で働く社員へのサポート体制がわかった
  • 未経験入社の社員のキャリアの例を聞けた
  • 入社の決断を急かされなかった
  • 面接の場で金銭の支払いを求められなかった

内定後のチェックリスト

  • 労働条件通知書や雇用契約書を書面で受け取った
  • 求人票や面接の説明と、書面の内容が一致している
  • 就業場所と業務の変更の範囲が明示されている
  • 試用期間の長さと、その間の給与などの条件がわかる
  • 研修費用の返還など、退職時の条件が書面で確認できた

チェックリストの項目がすべて満たされないと応募してはいけない、ということではありません。不明な点を確認して、納得したうえで判断することが、入社後のミスマッチを防ぐいちばんの方法です。入社後にどのようなミスマッチが起こりやすいかは、未経験エンジニア転職で後悔する人の特徴でも詳しく解説しています。

一人で判断が難しいときは第三者の力を借りる

求人票や面接で確認すべきことはわかっても、初めてIT業界に挑戦する方にとって、一人ですべてを見極めるのは簡単ではありません。業界の常識がわからないため、提示された条件が一般的なのかどうかを判断しにくいこともあるでしょう。

そのようなときは、IT業界の転職に詳しい転職エージェントなど、第三者の意見を聞くのも一つの方法です。アドバイザーは企業の採用担当者とやり取りしているため、求人票には書かれていない研修の実態や配属の傾向、社内の雰囲気などの情報を持っていることがあります。聞きにくい労働条件の確認を代わりに行ってもらえるのも、心強いポイントです。

また、家族や友人、IT業界で働く知人に求人票を見てもらい、客観的な意見を聞くのも有効です。自分では気づかなかった点に気づけることがあります。転職エージェントの選び方や活用方法については、未経験エンジニアの転職エージェントの選び方で紹介しています。

未経験エンジニアの求人に関するよくある質問

未経験OKのエンジニア求人はブラック企業が多いのですか?

未経験OKの求人だからといって、ブラック企業が多いとは一概にいえません。IT人材の不足を背景に、研修やOJTの体制を整えて未経験者を育てている企業も多くあります。一方で、労働条件の説明が不十分な求人があるのも事実です。求人票・面接・書面で労働条件を確認し、疑問点を解消したうえで判断することが大切です。

SESの会社には入らないほうがよいのでしょうか?

SESという働き方自体に問題があるわけではありません。未経験OKの求人が多く、さまざまな現場で経験を積めるという利点もあります。大切なのは、会社の案件の選び方や、常駐先で働くエンジニアへのサポート体制を確認することです。キャリアの希望をふまえて配属先を調整してくれるか、定期的な面談があるかなどを面接で確認してみましょう。

研修費用の返還条件がある求人には応募しないほうがよいですか?

返還条件があることだけで、応募を避ける必要はありません。まずは、返還の対象期間や金額、在籍期間に応じた減額の有無、研修の位置づけなどを確認しましょう。条件が書面で明確に示されていて、内容に納得できるのであれば、選択肢の一つになります。説明があいまいな場合や、不安が残る場合は、公的な相談窓口に相談することも検討してください。

固定残業代が45時間分の求人は、毎月45時間残業があるのですか?

固定残業代の時間数は、実際の残業時間とは必ずしも一致しません。実際の残業がそれより少なくても固定残業代は支払われ、超えた場合は別途残業代が支払われる必要があります。実際の平均残業時間がどのくらいかは、面接や転職エージェントを通じて確認するとよいでしょう。

怪しいと感じた求人に応募してしまった場合はどうすればよいですか?

応募しただけで、入社が決まるわけではありません。選考の中で疑問点を質問し、納得できなければ辞退することもできます。内定後であっても、労働条件通知書などの内容を確認し、説明と異なる点があれば入社前に確認しましょう。判断に迷う場合は、転職エージェントのアドバイザーや、労働条件について相談できる公的な窓口を利用するのも一つの方法です。

まとめ

未経験エンジニアの求人が怪しいと言われる理由には、常に大量募集している、給与の幅が広い、仕事内容があいまい、研修費用の返還条件や固定残業代がある、客先常駐の実態が見えにくいといったものがあります。ただし、これらの多くはIT業界の採用事情や働き方の仕組みによるもので、それだけで悪い求人と決めつけることはできません。SESも、会社のサポート体制次第で着実に経験を積める働き方です。

大切なのは、求人票・面接・口コミや企業情報、そして内定後の書面という各段階で、確認すべきポイントを一つずつ押さえることです。この記事の表やチェックリストを活用し、不明な点をそのままにせず、納得したうえで応募先を選んでいきましょう。

TECH STARTは、エンジニア未経験OKの求人・転職サイトです。10,000件以上の非公開求人を扱っており、専任のアドバイザーが、求人票だけではわかりにくい研修内容や働き方の確認から、応募書類の添削、面接対策まで無料でサポートします。求人選びに不安がある方は、まずは未経験OKのエンジニア求人一覧から、気になる求人を探してみてください。

コラム一覧へ戻る