キャリア・働き方

テスター(テストエンジニア)とは?未経験からのキャリアステップと必要なスキル

チェックリストとモニターで不具合を確認するテスターの仕事のイラスト

「未経験OKの求人を見ていたら、テスターやテストエンジニアの募集が目に入った」「テストの仕事から始めて、その先のキャリアは広がるのだろうか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、テスターは、未経験からIT業界に入り、開発の流れを現場で学べる入口の仕事の一つです。最初は決められた手順に沿ったテスト実行が中心ですが、経験を積めばテスト設計やテスト自動化、開発やプロジェクト管理へと道を広げていくことができます。一方で、単調に感じる時期があるなど、事前に知っておきたい面もあります。

この記事では、テスターの仕事内容や身につくスキル、キャリアステップ、在職中にやっておきたいこと、求人を選ぶときのポイントを図解を交えて解説します。

この記事でわかること

  • テスター・テストエンジニア・QAエンジニアの違い
  • テスト実行から不具合報告、再テストまでの仕事の流れ
  • テスターの仕事で身につくスキルと、知っておきたい現実
  • テスト設計・自動化・開発・PMOへ進むキャリアステップ
  • 未経験OKのテスター求人を選ぶときの確認ポイント
目次
  1. 1. テスター(テストエンジニア)とは?
    1. 1-1. ソフトウェアの品質を確かめる仕事
    2. 1-2. テスター・テストエンジニア・QAエンジニアの違い
  2. 2. テスターの仕事内容
    1. 2-1. テスト実行・結果記録・不具合報告・再テスト
    2. 2-2. 経験を積むと任されるテスト設計・テスト計画
  3. 3. テスターの仕事で身につくスキルと知っておきたい現実
    1. 3-1. テスターの仕事で身につくスキル
    2. 3-2. 単調に感じる時期や、実行だけで終わる現場もある
  4. 4. テスターからのキャリアステップ
    1. 4-1. テスト設計・リーダーから、自動化・QAエンジニアへ
    2. 4-2. 開発エンジニア・PM・PMOへ進む道
  5. 5. ステップアップのために在職中にやること
    1. 5-1. JSTQB Foundation Levelで基礎を固める
    2. 5-2. 自動化に向けたプログラミング学習と、設計を任せてもらう相談
  6. 6. 未経験OKのテスター求人を選ぶときのポイント
    1. 6-1. 業務範囲と研修・キャリア支援を確認する
    2. 6-2. SES・派遣・自社QA部門の違いを知る
  7. 7. よくある質問
    1. 7-1. 文系・未経験でもテスターになれますか?
    2. 7-2. テスターはプログラミングができなくても大丈夫ですか?
    3. 7-3. テスターの年収はどのくらいですか?
  8. 8. 未経験からのエンジニア転職はTECH STARTに相談しよう

1. テスター(テストエンジニア)とは?

まずは、テスターがどのような役割を担う仕事なのか、似た職種名とどう違うのかを整理しておきましょう。

1-1. ソフトウェアの品質を確かめる仕事

テスターとは、開発されたソフトウェアが仕様どおりに動くかを確かめ、問題があれば開発者に知らせる仕事です。どれだけ丁寧に作られたシステムでも、思わぬ不具合(バグ)が含まれていることがあります。利用者の手に渡る前にそれを見つけるのが、テストの大切な役割です。

テストの対象は幅広く、企業の会計や在庫管理などに使われる業務システム、ネットショップや予約サイトなどのWebサービス、iPhoneやAndroidで動くスマホアプリ、家電や自動車などに組み込まれて動く組み込みソフトウェアなどがあります。対象によって確認の観点や使う機器は変わりますが、「仕様と実際の動きを照らし合わせる」という基本は共通しています。

なお、ゲームの動作確認を担当するデバッガーもテストに関わる仕事ですが、確認の観点や業界の慣習が少し異なります。ゲーム業界での働き方はゲームデバッガーからのキャリアで詳しく解説しています。

1-2. テスター・テストエンジニア・QAエンジニアの違い

テストに関わる職種には、テスター、テストエンジニア、QAエンジニアなどの呼び方があります。会社によって使い分けは異なりますが、一般的には次のように整理できます。

項目テスターテストエンジニアQAエンジニア
主な役割決められたテストを実行するテストを設計・計画する開発全体の品質を高める
主な業務テスト実行、結果記録、不具合報告テスト設計、テスト計画、進行管理品質の基準づくり、工程改善、自動化の推進
関わる範囲テスト工程の一部テスト工程全体企画・開発・運用を含む全体
未経験からの入りやすさ入りやすいテスターの経験を積んでからテストや開発の経験を積んでから

QAは「Quality Assurance(品質保証)」の略です。ざっくり言えば、テスターは「確かめる」人、テストエンジニアは「確かめ方を考える」人、QAエンジニアは「品質を作り込む仕組みを考える」人というイメージです。実際の求人では、テスト実行が中心の仕事でも「テストエンジニア」と書かれていることがあるため、職種名よりも業務内容の欄をよく確認しましょう。

2. テスターの仕事内容

テストの仕事は、計画、設計、実行、報告、再テストという流れで進むのが一般的です。未経験から入る場合、まずは後半の工程を担当することが多くなります。

テストの流れ(計画・設計・実行・不具合報告・再テスト)と、入口のテスターが担当する範囲
テストの流れ(計画・設計・実行・不具合報告・再テスト)と、入口のテスターが担当する範囲

2-1. テスト実行・結果記録・不具合報告・再テスト

入社して最初に任されることが多いのがテスト実行です。テスト仕様書には「この画面でこの値を入力し、このボタンを押すと、こう表示される」といった確認項目と期待される結果が書かれています。テスターはそれに沿って一つずつ操作し、結果が期待どおりなら「OK」、違えば「NG」として記録します。

NGが見つかったら、不具合報告を行います。報告では「どの環境で」「どの手順を踏むと」「何が起きたか」「本来はどうなるべきか」を、開発者が同じ現象を再現できるように書くことが大切です。画面のスクリーンショットや操作ログを添えることもあります。

開発者が不具合を修正したら、再テストで本当に直ったかを確かめます。あわせて、修正によってほかの機能が壊れていないかを確認する「回帰テスト(リグレッションテスト)」を行うこともあります。地道な作業ですが、ソフトウェアの品質を最後に支える大切な工程です。

2-2. 経験を積むと任されるテスト設計・テスト計画

テスト実行の経験を積むと、テスト設計を任されることがあります。テスト設計とは、仕様書を読み込み、「何を」「どのような条件で」確認すればよいかを洗い出して、テスト仕様書を作る仕事です。すべての組み合わせを試すことは現実的ではないため、効率よく漏れなく確認するための考え方(テスト技法)が求められます。

さらに経験を重ねると、テストの範囲や日程、人員配置を決めるテスト計画や、チームの進行をとりまとめるテストリーダーの役割に進む道もあります。テスト実行は入口であり、その先には「確かめ方を考える」仕事が広がっています。

3. テスターの仕事で身につくスキルと知っておきたい現実

テスターの仕事は、エンジニアとしての土台になるスキルを身につけられる一方で、大変な面もあります。両方を知ったうえで判断することが大切です。

3-1. テスターの仕事で身につくスキル

テスターとして働く中で身につくスキルと、その後のキャリアでの活かし方を整理すると、次のようになります。

身につくスキル具体的な内容次の仕事での活かし方
仕様を理解する力仕様書を読み、正しい動きを把握する開発や設計で要件を読み解く土台になる
テスト技法の基礎同値分割・境界値分析などの考え方テスト設計や自動化で効率よく確認できる
品質の考え方不具合が起きやすい箇所や影響範囲を考えるバグの少ないコードを書く意識につながる
開発工程の全体像要件定義から設計・開発・テストまでの流れPM・PMOや上流工程で全体を見渡せる
報告・説明する力不具合を正確に、わかりやすく伝えるチーム開発や顧客とのやり取りで役立つ

特に大きいのは、開発工程の全体像を現場で見られることです。テストは開発の後半にある工程のため、要件や設計がどのように形になり、どこで不具合が生まれやすいのかを肌で感じられます。こうした経験は、開発エンジニアやプロジェクト管理の仕事に進んだときにも活きてきます。

3-2. 単調に感じる時期や、実行だけで終わる現場もある

一方で、テスターの仕事には知っておきたい現実もあります。まず、テスト実行は同じような操作を何度も繰り返すことが多く、単調に感じる時期があるのは事実です。集中力を保ちながら細かな違いに気づく必要があるため、慣れるまでは疲れを感じる方もいます。

また、現場によってはテスト実行だけを長く担当し、設計などに関わる機会が少ないケースもあります。プロジェクトの体制上、役割が明確に分かれていることもあるため、一概に悪いとは言えません。ただ、キャリアアップを目指すなら、自分から学ぶ姿勢や、上の工程に関わりたいという意思を伝えることが大切になります。

アドバイザーのひとこと転職相談では「テスターから始めて、ずっとテストだけになりませんか」と心配される方が多いです。どこまで進めるかは職場の体制と本人の取り組みの両方で変わります。面接などの場で、テスト設計や自動化に関わるようになった先輩がいるかを聞いてみると、入社後のイメージがつかみやすくなります。

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4. テスターからのキャリアステップ

テスターとして経験を積んだあとのキャリアは、大きく「テストの専門性を深める道」と「開発や管理へ広げる道」に分けられます。

テスターからのキャリアステップ(テスター → テスト設計・テストリーダー → テスト自動化・QAエンジニア/開発エンジニア/PM・PMO)
テスターからのキャリアステップ(テスター → テスト設計・テストリーダー → テスト自動化・QAエンジニア/開発エンジニア/PM・PMO)

4-1. テスト設計・リーダーから、自動化・QAエンジニアへ

テストの専門性を深める場合、まずはテスト設計やテストリーダーを目指すのが一般的です。テスト仕様書を自分で作れるようになると、「どう確かめれば品質を保証できるか」を考える立場になります。

その先には、テスト自動化エンジニアやQAエンジニアがあります。テスト自動化とは、人が手作業で行っていた確認をプログラムで自動的に実行できるようにする取り組みです。繰り返し行う回帰テストなどを自動化することで、開発のスピードと品質の両立を支えます。QAエンジニアは、テスト工程だけでなく開発全体の品質を高める仕組みづくりに関わる仕事で、テストの経験を活かせる専門職です。

4-2. 開発エンジニア・PM・PMOへ進む道

テストで身につけた仕様理解や品質の考え方は、開発エンジニアへ進む場合にも役立ちます。テストの現場で「どんなコードが不具合を生みやすいか」を見てきた経験は、開発側に回ったときの強みになります。ただし、開発職に進むにはプログラミングの学習が欠かせないため、在職中から少しずつ準備しておくことが大切です。

また、テストリーダーとして進行管理や関係者との調整を経験すると、PM(プロジェクトマネージャー)や、PMを支えるPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)へ進む道も見えてきます。どの道を選ぶにしても、一般的には数年単位で経験を積み重ねていくことになります。

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5. ステップアップのために在職中にやること

テスターから次の職種へ進むには、日々の業務に加えて、意識的に準備を進めることが大切です。ここでは代表的な取り組みを紹介します。

5-1. JSTQB Foundation Levelで基礎を固める

テストの知識を体系的に学ぶなら、JSTQB認定テスト技術者資格のFoundation Level(基本レベル)が選択肢になります。JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)は、ソフトウェアテスト技術者資格の国際組織であるISTQBに加盟している日本の組織です。そのため、JSTQBの資格は海外でも通用する資格として位置づけられています。

JSTQB公式サイトによると、Foundation Levelの試験は選択式の40問・60分で、CBT方式(コンピュータで解答する形式)で実施されています。受験料や申込方法、最新のシラバスなどは変わる可能性があるため、受験前にJSTQB公式サイトで確認してください。同値分割や境界値分析といったテスト技法を体系的に学べるため、テスト設計を目指すうえでの土台になります。

IT全般の基礎知識も身につけたい場合は、基本情報技術者試験などの国家試験とあわせて検討するのもよいでしょう。

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5-2. 自動化に向けたプログラミング学習と、設計を任せてもらう相談

テスト自動化や開発エンジニアを目指すなら、プログラミングの学習は早めに始めておきたいところです。テスト自動化ではPythonやJavaScript、Javaなどの言語が使われることが多く、Webブラウザの操作を自動化するツールなども広く使われています。まずは一つの言語で基本的な文法を学び、簡単な自動化スクリプトを書いてみるところから始めるとよいでしょう。

もう一つ大切なのが、社内でテスト設計を任せてもらえるよう相談することです。テスト実行を丁寧にこなしたうえで、「テスト仕様書の作成にも関わってみたい」と上司やリーダーに伝えると、一部の設計から任せてもらえることがあります。不具合報告の書き方を工夫したり、仕様書のわかりにくい点を指摘したりと、日々の業務で信頼を積み重ねることが次のチャンスにつながります。

アドバイザーのひとこと「勉強はしているのに、現場で任される仕事が変わらない」という相談もよくあります。学習の成果は、面談や評価の場で具体的に伝えることが大切です。資格の取得や作ったスクリプトなど、目に見える形で示すと、上の工程を任せてもらうきっかけになりやすくなります。

6. 未経験OKのテスター求人を選ぶときのポイント

同じ「テスター」の求人でも、業務の範囲や働き方は会社によって大きく異なります。入社後に後悔しないよう、次のポイントを確認しておきましょう。

6-1. 業務範囲と研修・キャリア支援を確認する

まず確認したいのが、テスト実行だけを担当するのか、テスト設計まで関われる可能性があるのかという点です。求人票の業務内容に「テスト設計」「テスト仕様書の作成」「テスト自動化」などの記載があるか、キャリアパスの例が示されているかをチェックしましょう。

あわせて、研修制度の有無も大切です。テストの基礎やIT用語を学べる研修があると、未経験からでも仕事に慣れやすくなります。資格取得の支援や、社内での職種転換の制度があるかも確認しておくと安心です。研修の内容は研修ありの未経験OK求人でも詳しく紹介しています。

6-2. SES・派遣・自社QA部門の違いを知る

テスターの働き方には、主にSES、派遣、自社のQA部門などがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、公平に比べて選ぶことが大切です。

働き方主な特徴メリット注意したい点
SES自社に雇用され、取引先の現場でテストを担当するさまざまな業界やシステムを経験できる現場によって業務内容や環境が変わる
派遣派遣会社に雇用され、派遣先の指示で働く勤務地や期間などの条件を選びやすい有期雇用では同じ部署で働ける期間に上限がある
自社QA部門自社サービスの品質保証を担当する一つのサービスに深く関われる未経験からの採用枠は限られる傾向がある

SESは、一つの会社に所属しながら複数の現場を経験できるため、幅広いシステムに触れたい方に向いています。一方で、配属先によって任される業務が変わるため、どのような現場が多いのか、希望を伝える仕組みがあるかを確認しておきましょう。派遣の場合、労働者派遣法により、有期雇用の派遣労働者が派遣先の同じ組織単位(課など)で働ける期間は3年が上限とされています(無期雇用の派遣労働者や60歳以上の方などは対象外)。契約期間や更新、その後のキャリアの考え方も事前に確認しておきましょう。

【図解】SES・SIer・自社開発の違いとは?未経験者が知っておきたいIT業界の構造

7. よくある質問

7-1. 文系・未経験でもテスターになれますか?

テスターは、未経験者を採用している求人が比較的多い職種の一つです。仕様書を丁寧に読む力や、細かな違いに気づく注意力、わかりやすく報告する力などは、文系・理系を問わず活かせます。入社前にIT用語や基本的なパソコン操作に慣れておくと、スムーズに仕事を始めやすくなります。ほかの入口の職種と比べたい方は、未経験から始められる入口の仕事まとめも参考にしてください。

7-2. テスターはプログラミングができなくても大丈夫ですか?

テスト実行が中心の仕事であれば、プログラミングができなくても始められる求人が多くあります。ただし、テスト自動化や開発エンジニアを目指す場合は、プログラミングの知識が必要になります。キャリアの選択肢を広げるためにも、働きながら少しずつ学んでおくことをおすすめします。

7-3. テスターの年収はどのくらいですか?

テスターの年収は、経験・企業・地域・雇用形態により大きく異なります。一般的に、テスト実行が中心の段階よりも、テスト設計やテスト自動化、テストリーダーなどの役割を担うようになるほど、評価されやすくなる傾向があります。年収を上げていくには、担当できる業務の幅を広げていくことが大切です。

8. 未経験からのエンジニア転職はTECH STARTに相談しよう

テスターは、未経験からIT業界に入り、仕様の読み方や品質の考え方、開発工程の全体像を現場で学べる仕事です。単調に感じる時期やテスト実行だけで終わる現場もありますが、学習と社内での相談を重ねていけば、テスト設計や自動化、開発、PM・PMOへとキャリアを広げていくことができます。

とはいえ、求人票だけでは「設計まで関われるか」「研修の中身」「配属先の傾向」などを判断しにくいこともあるでしょう。TECH STARTは、未経験からエンジニアを目指す20代・30代の方に向けたエンジニア未経験OKの求人・転職サイトです。専任のアドバイザーが、希望や不安をうかがったうえで、求人の紹介から応募書類の作成、面接対策までを無料でサポートします。

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