Dart・Flutterエンジニアとは?Dartでできること
Dart・Flutterエンジニアとは、Googleが開発したプログラミング言語「Dart」と、Dartで動くアプリ開発フレームワーク「Flutter」を使って、主にスマートフォンアプリを開発するエンジニアのことです。Flutterの最大の特徴は、一つのコードからiOSとAndroidの両方のアプリを作れる「クロスプラットフォーム開発」ができる点です。
従来、iPhone向けのアプリはSwift、Android向けのアプリはKotlinなど、OSごとに別の言語で開発するのが一般的でした。Flutterを使えば、同じコードで両方のOSに対応できるため、開発や改修の手間を抑えやすくなります。この点が評価され、新規アプリの開発や、既存アプリの作り直しでFlutterを選ぶ企業もあります。
Dart・Flutterで作れるものは、主に次のとおりです。
- iOS・Android向けのスマートフォンアプリ:EC、予約、SNS、業務用アプリなど幅広い分野
- Webアプリ:Flutterはブラウザで動くアプリの作成にも対応しています
- デスクトップアプリ:Windows・macOS・Linux向けのアプリも作成できます
- サーバー側の処理やコマンドラインツール:Dart単体でも、簡単なサーバーやツールを作れます
Dartは、JavaやJavaScriptに似た書き方のオブジェクト指向言語です。2023年に公開されたDart 3では、変数に「値が入っていない状態(null)」を不用意に扱えないようにする仕組み(null安全)が必須になり、不具合を防ぎやすい設計になっています。画面の変更をすぐ確認できる「ホットリロード」機能もあり、見た目を調整しながら効率よく開発できます。
Dart・Flutterの求人の特徴
Dart・Flutterの求人は、スマートフォンアプリの開発に関わるものが中心です。一般的な傾向として、次のような特徴があります。
自社サービスを持つ企業や受託開発会社の求人が多い
自社でアプリを運営する事業会社や、他社からアプリ開発を請け負う受託開発会社の求人が多く見られます。少ない人数でiOSとAndroidの両方に対応したい企業にとって、Flutterは選びやすい技術であるため、比較的規模の小さいチームやスタートアップの求人も見られます。働き方の違いはSES・SIer・自社開発の違いで詳しく解説しています。
「モバイルアプリエンジニア」としての募集が中心
求人の職種名は「アプリエンジニア」「モバイルエンジニア」「Flutterエンジニア」などが多く、Dartだけでなく、アプリ開発に関わる周辺の知識もあわせて求められる傾向があります。たとえば、サーバーとデータをやり取りするAPIの知識、Firebaseなどのクラウドサービス、アプリストアへの公開手順などです。
SwiftやKotlinの経験が歓迎されることも
Flutterで開発していても、カメラや決済などOS固有の機能を使う場面では、SwiftやKotlinでの対応が必要になることがあります。そのため、ネイティブアプリの開発経験が「歓迎スキル」として書かれている求人もあります。
新規開発やリプレイスの案件
新しいアプリを一から作る案件のほか、OSごとに別々に作られていたアプリをFlutterで一つにまとめる「リプレイス」の案件もあります。立ち上げから関われる案件では、設計や技術選定の経験を積めることがあります。
Dart・Flutterエンジニアの仕事内容
Dart・Flutterエンジニアの仕事は、アプリの企画・設計から公開後の改善まで、工程ごとに分かれます。チームの規模によっては、一人が複数の工程を担当することもあります。
要件定義・設計
企画担当者やデザイナーと相談しながら、アプリに必要な機能や画面の流れを決めます。Flutterでは、アプリの状態(ログイン中かどうか、画面に表示するデータなど)をどう管理するかの設計が重要で、Provider・Riverpod・BLoCといった状態管理の手法から、プロジェクトに合うものを選びます。
画面・機能の実装
Dartでコードを書き、Flutterの「ウィジェット」と呼ばれる部品を組み合わせて画面を作ります。デザインの指示どおりに見た目を整えるだけでなく、ボタンを押したときの動きや、サーバーからデータを取得して表示する処理などを実装します。
テスト
部品ごとの動作を確かめる単体テスト、画面の表示を確認するウィジェットテスト、アプリ全体の流れを確認する統合テストなどを行います。iPhoneとAndroidの実機や、画面サイズの異なる端末で表示崩れがないかの確認も欠かせません。
リリース・運用・改善
App StoreやGoogle Playへアプリを公開するための申請作業を行います。公開後は、利用者の声や不具合の報告をもとに機能を改善し、OSのバージョンアップへの対応も継続して行います。
Dart・Flutterエンジニアの年収・キャリア
Dart・Flutterエンジニアの年収は、経験年数・担当工程・企業の業界や規模によって大きく変わります。一般的には、実装中心の段階より、アプリ全体の設計や技術選定を担うようになったり、チームをまとめるリードエンジニアやマネージャーを務めるようになったりすると、年収が高くなる傾向があります。また、Flutterに加えてSwiftやKotlin、サーバー側の開発もできる人は、担当できる範囲が広いぶん評価されやすい傾向があります。掲載求人の想定年収については、このページ上部の集計もあわせてご覧ください。未経験から入社した場合の年収の考え方は未経験エンジニアの年収でも解説しています。
Dart・Flutterエンジニアの主なキャリアの方向性は次のとおりです。
| キャリアの方向性 | 主な仕事 | 活きる経験・知識 |
|---|---|---|
| モバイルアプリのスペシャリスト | アプリの設計、技術選定、性能改善 | Flutterの設計経験、SwiftやKotlinの知識 |
| リードエンジニア・マネージャー | チームの技術面のまとめ役、開発の進行管理 | 複数のアプリ開発の経験、コードレビューの経験 |
| フルスタックエンジニア | アプリとサーバー側の両方の開発 | API設計、データベース、クラウドサービスの知識 |
| プロダクト寄りの職種 | アプリの企画、改善方針の立案 | 利用者の声やデータをもとに改善した経験 |
Flutterで身につく「画面と処理を組み立てる力」や「利用者の使いやすさを考える視点」は、ほかの言語やWeb開発に移っても役立ちます。アプリ開発の経験を軸に、サーバー側やクラウドの知識を少しずつ広げていくと、担当できる仕事の幅が広がり、キャリアの選択肢も増えていきます。
未経験からDart・Flutterエンジニアを目指すには
Flutterは公式のドキュメントやサンプルが充実しており、パソコン一台で学習を始められます。作ったアプリを自分のスマートフォンで動かせるため、成果が目に見えやすく、学習を続けやすい点も特徴です。エンジニア転職の全体の流れは未経験からエンジニアになる方法もあわせてご覧ください。
学習の進め方
- プログラミングとDartの基礎を学ぶ:変数、条件分岐、繰り返し、クラスといった基本に加え、Dart特有のnull安全や非同期処理(async/await)を理解しましょう
- Flutterで簡単なアプリを作る:メモ帳やToDoリストなど、画面が数枚の小さなアプリから始め、ウィジェットの組み合わせ方や画面遷移を身につけます
- 状態管理とAPI通信を学ぶ:外部のAPIからデータを取得して表示するアプリを作ると、実務に近い構成を理解できます
- Gitでコードを管理する:チーム開発で欠かせないため、学習中から使い慣れておきましょう
求められるレベル
未経験者向けの求人では、入社時点で高度な設計ができることよりも、自分でアプリを作りきった経験、わからないことを調べて解決する力、学習を続ける姿勢が見られる傾向があります。そのため、オリジナルのアプリを作り、GitHubでコードを公開したり、作った理由や工夫した点を説明できるようにしたりしておくと、選考で強みになります。作品づくりの考え方はエンジニアのポートフォリオ例で紹介しています。
狙いやすい入口の職種
研修付きのアプリエンジニア、受託開発会社のプログラマー、アプリのテスト担当などは、未経験から入りやすい入口です。Flutter専任の求人は経験者向けのものも多いため、Web系の開発や別の言語から経験を積み、のちにFlutterへ移る道も現実的な選択肢です。
Dart・Flutterの求人を選ぶときのポイント
同じ「Flutter」の求人でも、担当範囲や開発体制、身につくスキルは大きく違います。応募前に、求人票で次の点を確認しましょう。
| 確認する項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 開発するアプリ | 自社サービスか受託開発か。どんな利用者向けのアプリか |
| 担当する工程 | 実装だけか、設計・リリース・運用まで関われるか |
| 開発体制 | Flutterエンジニアは何人いるか。コードレビューや相談できる先輩はいるか |
| 技術の範囲 | 状態管理の手法、SwiftやKotlinを使う場面、サーバー側の担当の有無 |
| 研修・教育体制 | 研修の有無と期間、配属後のフォロー体制 |
| 案件の段階 | 新規開発か、既存アプリの運用・改善か、リプレイスか |
「未経験歓迎」と書かれた求人でも、求める基礎知識や研修の内容、配属先の条件は求人や企業によって違います。気になる点は、面接やアドバイザーを通じて確認しておくと安心です。未経験OKの求人一覧も参考にしてください。
Dart・Flutterの求人・転職でよくある質問
DartはFlutter以外でも使われていますか?
Dartは単体でもサーバー側の処理やコマンドラインツールの開発に使えますが、求人の多くはFlutterによるアプリ開発とセットです。転職を目指すなら、DartとFlutterをあわせて学ぶのが効率的です。
SwiftやKotlinも学ぶ必要はありますか?
最初からすべて学ぶ必要はありません。まずはFlutterでアプリを作れるようになることを優先しましょう。実務でOS固有の機能を扱うようになったら、SwiftやKotlinの基本を学ぶと対応できる範囲が広がります。
未経験でもDart・Flutterの求人に応募できますか?
研修を前提に未経験者を募集している求人もありますが、Flutterの求人は経験者向けのものも少なくありません。応募条件は企業によって違うため、求人票をよく確認しましょう。自作のアプリがあると、学習の成果を具体的に伝えやすくなります。
Webアプリの開発経験は活かせますか?
活かせます。APIとの通信、画面の状態管理、Gitを使ったチーム開発などの考え方は、Webアプリ開発と共通する部分が多くあります。特にJavaScriptやTypeScriptの経験がある方は、Dartの書き方にもなじみやすいでしょう。
Dart・Flutterの求人は、開発するアプリや開発体制によって働き方が大きく異なります。自分に合う求人を見つけたい方は、TECH STARTの専任アドバイザーに無料で相談できます。10,000件以上の非公開求人の中から、経験や希望に合う求人をご紹介します。まずはお気軽に無料でキャリア相談する
















