エンジニアの基礎知識

【図解】ITエンジニアの職種一覧|未経験から目指しやすい職種と仕事内容・年収の目安

開発・サーバー・セキュリティ・ヘルプデスク・クラウドなど、ITエンジニアの職種アイコンと人のイラスト

「ITエンジニアに興味はあるけれど、職種が多すぎて違いがよくわからない」「未経験から目指すなら、どの職種を選べばいいのだろう」と迷っている方は多いのではないでしょうか。

ITエンジニアの職種は名前が多く複雑に見えますが、「開発系」「インフラ系」「周辺職種(運用・サポート・管理)」の3つに分けて考えると、全体像がつかみやすくなります。未経験からのスタートであれば、手順が整っていて研修を受けながら経験を積みやすいインフラ・運用系やテスト、ヘルプデスクなどの職種が入口になりやすい傾向があります。

この記事では、ITエンジニアの主な職種を一覧表で整理し、それぞれの仕事内容・年収の目安・未経験からの入りやすさを解説します。あわせて、自分に合う職種の選び方や、職種ごとのキャリアの広がりも紹介します。

この記事でわかること

  • ITエンジニアの職種の全体像(開発系・インフラ系・周辺職種)
  • 主な職種の仕事内容・年収の目安・未経験からの入りやすさ
  • 公的統計で見るITエンジニアの平均年収
  • 未経験から目指しやすい職種とその理由
  • 自分に合う職種の選び方と、職種ごとのキャリアの広がり
目次
  1. 1. ITエンジニアの職種は「開発系・インフラ系・周辺職種」の3つに分けられる
  2. 2. 【一覧表】ITエンジニアの職種別 仕事内容・年収の目安・入りやすさ
    1. 2-1. 公的統計で見るITエンジニアの平均年収
  3. 3. 開発系エンジニアの職種と仕事内容
    1. 3-1. システムエンジニア(SE)
    2. 3-2. プログラマー(PG)
    3. 3-3. Webエンジニア(フロントエンド/バックエンド)
    4. 3-4. アプリエンジニア・組み込みエンジニア
    5. 3-5. テストエンジニア・QAエンジニア
  4. 4. インフラ系エンジニアの職種と仕事内容
    1. 4-1. サーバーエンジニア・ネットワークエンジニア
    2. 4-2. クラウドエンジニア
    3. 4-3. データベースエンジニア・セキュリティエンジニア
    4. 4-4. インフラエンジニアと開発エンジニアの違い
  5. 5. 運用・サポート・マネジメント系の職種と仕事内容
    1. 5-1. 運用監視エンジニア
    2. 5-2. ヘルプデスク・社内SE
    3. 5-3. プロジェクトマネージャー(PM)
  6. 6. 未経験から目指しやすい職種とその理由
    1. 6-1. インフラ系(運用監視・サーバー・ネットワーク)
    2. 6-2. テストエンジニア・ヘルプデスク
    3. 6-3. 開発系は研修のある企業と学習の継続がポイント
  7. 7. 自分に合うITエンジニアの職種の選び方
    1. 7-1. 興味:「つくる」と「支える」のどちらに関わりたいか
    2. 7-2. 適性:得意な作業や強みから考える
    3. 7-3. 働き方:勤務時間や職場環境の希望から考える
    4. 7-4. キャリアの広がりから逆算する
  8. 8. よくある質問
    1. 8-1. 文系・未経験でもITエンジニアになれますか?
    2. 8-2. 職種を選ぶ前に資格を取っておくべきですか?
    3. 8-3. 入社後に職種を変えることはできますか?
    4. 8-4. 「SES」や「SIer」は職種の名前ですか?
  9. 9. 未経験からのエンジニア転職はTECH STARTに相談しよう

1. ITエンジニアの職種は「開発系・インフラ系・周辺職種」の3つに分けられる

ITエンジニアとは、情報技術(IT)を使ってシステムやサービスをつくったり、その土台を整えたり、安定して動き続けるように支えたりする技術職の総称です。「ITエンジニア」という1つの職種があるわけではなく、担当する領域や工程によってさまざまな職種名に分かれています。

職種を理解するときは、細かい名前を一つひとつ覚えるよりも、「何を担当する仕事なのか」で大きく分類するのがおすすめです。この記事では、ITエンジニアの職種を次の3つに分けて整理します。

  • 開発系:業務システムやWebサービス、スマホアプリなどのソフトウェアを「つくる」職種
  • インフラ系:サーバーやネットワーク、クラウドなど、システムが動くための「土台」を設計・構築する職種
  • 周辺職種:システムの運用監視、利用者のサポート、社内のIT管理、プロジェクトの管理など、ITを「動かし続け、まとめる」職種
ITエンジニアの職種マップ。開発系・インフラ系・周辺職種の3つに分けると全体像がつかみやすくなります
ITエンジニアの職種マップ。開発系・インフラ系・周辺職種の3つに分けると全体像がつかみやすくなります

ネットショップのサイトを例に考えてみましょう。商品ページやカート、決済の機能をつくるのは開発系のエンジニアです。そのサイトが動くサーバーやネットワークを用意し、たくさんのアクセスに耐えられるように整えるのがインフラ系のエンジニアです。そして、サイトが止まらないように稼働状況を見守ったり、社員からの問い合わせに対応したり、プロジェクト全体の進行を管理したりするのが周辺職種の役割です。

どの職種もシステムを支えるうえで欠かせない存在です。実際の現場では職種の境界があいまいなことも多く、1人のエンジニアが開発と運用の両方を担当するケースもあります。求人票の職種名だけで判断せず、「入社後に具体的にどんな作業をするのか」を確認することが大切です。

2. 【一覧表】ITエンジニアの職種別 仕事内容・年収の目安・入りやすさ

ここでは、ITエンジニアの主な職種を一覧表にまとめました。年収は、経験の浅い時期から中堅クラスまでを想定した目安です。実際の金額は、企業の規模や業界、勤務地、担当する工程、経験年数などによって大きく異なります。

職種分類主な仕事内容年収の目安(企業により異なる)未経験からの入りやすさ
システムエンジニア(SE)開発系顧客の要望を整理し、システムを設計する400万〜700万円程度○
プログラマー(PG)開発系設計書をもとにプログラムを書く350万〜550万円程度○
Webエンジニア開発系Webサイトやサービスの画面・仕組みをつくる400万〜650万円程度○
アプリエンジニア開発系スマホやPC向けのアプリを開発する400万〜650万円程度△
組み込みエンジニア開発系家電や自動車などの機器を動かすソフトをつくる400万〜650万円程度△
テストエンジニア・QA開発系システムが仕様どおりに動くかを検証する300万〜500万円程度◎
サーバーエンジニアインフラ系サーバーの設計・構築・保守を行う350万〜600万円程度○
ネットワークエンジニアインフラ系ネットワークの設計・構築・保守を行う350万〜600万円程度○
クラウドエンジニアインフラ系クラウド上にシステムの基盤をつくる450万〜750万円程度△
データベースエンジニアインフラ系データを保存・管理する仕組みを設計・運用する450万〜700万円程度△
セキュリティエンジニアインフラ系不正アクセスなどからシステムを守る500万〜800万円程度△
運用監視エンジニア周辺職種システムの稼働状況を監視し、異常時に一次対応する300万〜450万円程度◎
ヘルプデスク周辺職種IT機器やシステムに関する問い合わせに対応する300万〜450万円程度◎
社内SE周辺職種自社のIT環境の企画・導入・管理を行う400万〜650万円程度△
プロジェクトマネージャー(PM)周辺職種プロジェクトの計画・進行・予算・品質を管理する600万〜900万円程度△

「未経験からの入りやすさ」は、◎が未経験OKの求人が比較的多い職種、○が研修のある企業や事前の学習があれば目指しやすい職種、△が実務経験者の採用が中心の職種という目安です。△の職種も、◎や○の職種で経験を積んだあとのキャリアアップ先として十分に目指せます。

2-1. 公的統計で見るITエンジニアの平均年収

ITエンジニアの年収を公的な統計で確認したい場合は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」が参考になります。この調査では、ITエンジニアは主に次の3つの職種区分に分類されています。厚生労働省の「業種別主な職種早見表」では、社内システムエンジニアやプログラマーは「ソフトウェア作成者」、システムコンサルタントや情報処理プロジェクトマネージャーは「システムコンサルタント・設計者」、サーバー管理者や情報セキュリティ技術者、通信ネットワーク技術者は「その他の情報処理・通信技術者」に分類されています。

統計上の職種区分含まれる主な職種平均年齢年収(試算)
システムコンサルタント・設計者システムコンサルタント、情報処理プロジェクトマネージャーなど38.3歳約889万円
ソフトウェア作成者社内システムエンジニア、プログラマーなど37.1歳約578万円
その他の情報処理・通信技術者サーバー管理者、情報セキュリティ技術者、通信ネットワーク技術者など42.2歳約610万円

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(一般労働者・男女計・企業規模10人以上)。年収は「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で試算した値です。

この数字は、平均年齢が30代後半〜40代前半の方を含む平均値です。未経験から入社した直後の年収は、これより低い水準からスタートするのが一般的です。また、上流工程やマネジメントを担う「システムコンサルタント・設計者」の年収が高いことからもわかるように、ITエンジニアの年収は、職種名よりも「どの工程を担当し、どれだけの責任を持つか」によって大きく変わる傾向があります。

求人を比べるときは、入社時の年収だけでなく、昇給の仕組みや資格手当、評価制度などもあわせて確認しましょう。経験を積んで担当できる範囲が広がるにつれて、年収が上がっていく職種も多くあります。

未経験エンジニアの年収はいくら?年収の目安と上がり方、年収アップの方法

3. 開発系エンジニアの職種と仕事内容

開発系エンジニアは、システムやアプリなどのソフトウェアを「つくる」職種です。顧客や利用者の「こんなことができたら便利」という要望を、プログラムによって形にしていきます。ここでは、代表的な開発系の職種を紹介します。

3-1. システムエンジニア(SE)

システムエンジニアは、顧客の要望をヒアリングしてシステムに必要な機能を整理し(要件定義)、どのような仕組みでつくるかを設計する職種です。開発工程の上流を担当することが多く、完成までのスケジュール管理や、プログラマーへの作業の割り振り、テストの計画なども担います。

システムの知識に加えて、顧客の話を聞いて課題を整理する力や、関係者と調整するコミュニケーション力が求められます。前職で顧客対応や調整業務を経験した方は、その経験を活かしやすい職種です。

ただし、要件定義や設計は実務経験があってこそ任される仕事です。未経験から「SE」として入社した場合でも、最初はテストやプログラミング、資料作成などからスタートし、経験を積みながら上流工程に関わっていくのが一般的な流れです。

3-2. プログラマー(PG)

プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書をもとに、プログラミング言語を使って実際にプログラムを書く職種です。書いたプログラムが正しく動くかを確認する単体テストや、不具合の修正も担当します。

使うプログラミング言語は、開発するシステムによって異なります。業務システムではJavaやC#、Webサービスでは PHPやRuby、JavaScriptなどがよく使われます。

プログラマーは、ものづくりが好きな方や、論理的に考えて問題を解決することが好きな方に向いています。経験を積むと、設計から担当するシステムエンジニアや、特定の分野を深めるWebエンジニアなどへキャリアを広げていけます。なお、企業によってはSEとプログラマーを明確に分けず、1人で設計から実装まで担当することもあります。

3-3. Webエンジニア(フロントエンド/バックエンド)

Webエンジニアは、Webサイトやネットショップ、SNSなど、ブラウザで使うWebサービスを開発する職種です。担当する領域によって、主にフロントエンドとバックエンドに分かれます。

  • フロントエンドエンジニア:利用者が直接目にする画面や操作部分をつくります。HTML、CSS、JavaScriptなどを使い、見やすく使いやすい画面を実現します
  • バックエンドエンジニア:画面の裏側で動く仕組みをつくります。会員情報の管理や決済処理など、サーバー側の処理やデータベースとの連携を担当します

Webエンジニアは、自社のサービスを開発する企業で活躍することも多く、新しい技術を取り入れる機会が比較的多い職種です。一方で、人気が高く応募者も多いため、未経験から目指す場合は、学習した内容を形にした作品(ポートフォリオ)を用意しておくと、学ぶ姿勢を伝えやすくなります。

3-4. アプリエンジニア・組み込みエンジニア

アプリエンジニアは、スマートフォンやパソコンで動くアプリケーションを開発する職種です。iPhone向けにはSwift、Android向けにはKotlinなどの言語がよく使われます。画面の使いやすさに加えて、端末の性能や通信環境を考慮した開発が求められます。

組み込みエンジニアは、家電製品や自動車、医療機器、工場の機械など、さまざまな機器の中に組み込まれて動くソフトウェアを開発する職種です。C言語などを使い、限られたメモリや処理能力の中で機器を正確に制御するプログラムをつくります。ハードウェアの知識も必要になるため、専門性が高い職種です。

どちらも専門的な知識が求められるため、未経験者の採用は他の職種に比べて少ない傾向があります。まずはプログラマーやテストエンジニアとして開発の基礎を身につけ、そこから専門分野へ進む方法も現実的な選択肢です。

3-5. テストエンジニア・QAエンジニア

テストエンジニアは、開発したシステムやアプリが仕様どおりに動くかを確認する職種です。テスト計画書や手順書に沿って操作し、結果を記録して、不具合を見つけたら開発チームに報告します。QAエンジニアは、テストに加えて、開発の進め方そのものを見直すなど、製品の品質を保つための仕組みづくりまで担当します。

テストの仕事は手順が明確なものが多いため、未経験からでも取り組みやすい職種の1つです。システムの仕様を理解し、利用者の目線で細かな不具合に気づく力が求められるため、几帳面な方や、細かい違いに気づくのが得意な方に向いています。

テストを通してシステムの仕組みや開発の流れを理解できるため、経験を積んだあとにプログラマーやシステムエンジニアへステップアップする方も多くいます。テストの自動化に関わると、プログラミングのスキルも身につけられます。

アドバイザーのひとこと転職相談では「テストエンジニアは単調な作業だけで、スキルが身につかないのでは」と心配される方が多いです。実際には、仕様を読み解く力や不具合を論理的に説明する力など、開発の現場で役立つ基礎が身につきます。応募の際は、テストの自動化に関われるか、開発チームとどのように連携しているかを確認しておくと、入社後のキャリアがイメージしやすくなります。

4. インフラ系エンジニアの職種と仕事内容

インフラ系エンジニアは、システムやサービスが動くための「土台」をつくり、支える職種です。どれだけ便利なアプリでも、サーバーやネットワークがなければ動きません。インフラ系エンジニアは、こうしたIT基盤の設計・構築・運用・保守を担当します。

インフラ系の仕事は、運用・保守のように手順が整った業務から経験を積めるため、未経験からITエンジニアを目指す方の入口として選ばれることが多い分野です。

4-1. サーバーエンジニア・ネットワークエンジニア

サーバーエンジニアは、Webサイトやメール、業務システムなどを動かすサーバーの設計・構築・運用・保守を担当する職種です。サーバーに必要なOS(LinuxやWindows Serverなど)やソフトウェアをインストールして設定し、安定して動き続けるように管理します。

ネットワークエンジニアは、パソコンやサーバーをつなぐネットワークの設計・構築・運用・保守を担当する職種です。ルーターやスイッチなどの機器を設定し、社内やインターネットとの通信が安全かつ快適に行えるように整えます。

どちらの職種も、未経験からは運用・保守の業務でスタートし、経験を積みながら構築、設計へと上流工程に進んでいくのが一般的です。LinuxやネットワークのIT資格は学習の範囲が明確なため、未経験の方が知識を身につけ、意欲を示す手段としても活用しやすいでしょう。

4-2. クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azure、Google Cloudなどのクラウドサービスを使って、システムの基盤を設計・構築・運用する職種です。

従来は、企業が自社でサーバーなどの機器を購入して設置する「オンプレミス」が主流でしたが、近年は必要な分だけ借りて使えるクラウドを利用する企業が増えています。そのため、クラウドの知識を持つエンジニアの需要は高まっている傾向があります。

クラウドエンジニアには、サーバーやネットワークの基礎知識に加えて、クラウド特有のサービスや設定の知識が求められます。未経験からいきなりクラウドエンジニアとして採用されるケースは多くないため、サーバーやネットワークの経験を積んだあとのキャリアアップ先として目指すのが現実的です。

4-3. データベースエンジニア・セキュリティエンジニア

データベースエンジニアは、顧客情報や売上データなど、システムで扱う大量のデータを保存・管理する仕組み(データベース)を設計・構築・運用する職種です。データを速く正確に取り出せるように調整したり、障害に備えてバックアップを管理したりします。SQLという言語や、データベースの製品に関する専門知識が求められます。

セキュリティエンジニアは、不正アクセスやウイルス感染、情報漏えいなどの脅威から、システムやデータを守る職種です。セキュリティ対策の設計・導入や、脆弱性(システムの弱点)の診断、問題が起きたときの調査と対応などを担当します。

どちらの職種も専門性が高く、サーバーやネットワーク、開発などの実務経験をベースに目指すことが多い職種です。その分、専門スキルを身につけると、長く活躍しやすい分野でもあります。

4-4. インフラエンジニアと開発エンジニアの違い

インフラエンジニアと開発エンジニアは、どちらもITシステムに関わる職種ですが、担当する領域や仕事の進め方に違いがあります。主な違いを表にまとめました。

比較項目開発エンジニアインフラエンジニア
担当する領域アプリやシステムの機能サーバー・ネットワークなどの土台
主な仕事設計、プログラミング、テスト設計、構築、運用・保守
使う主な技術プログラミング言語、フレームワークOS、ネットワーク機器、クラウド
仕事の成果新しい機能やサービスができるシステムが止まらず安定して動く
未経験の入口プログラマー、テストなど運用監視、運用・保守など
働き方の傾向日中の勤務が中心運用ではシフト勤務がある場合も

開発エンジニアは「新しいものをつくる」ことにやりがいを感じやすく、インフラエンジニアは「システムを安定して動かし続ける」ことに責任とやりがいを感じやすい仕事です。どちらが優れているということはなく、自分の興味や働き方の希望に合わせて選ぶことが大切です。

なお、最近はクラウドの普及により、インフラの構築をプログラムで自動化する場面も増えています。開発とインフラの両方の知識を持つエンジニアは、活躍の場が広がりやすい傾向があります。

インフラエンジニアとは?仕事内容・必要なスキル・未経験からの目指し方を解説

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5. 運用・サポート・マネジメント系の職種と仕事内容

ここでは、システムを動かし続ける運用監視や、利用者を支えるサポート、プロジェクトをまとめるマネジメントなど、開発・インフラの周辺で活躍する職種を紹介します。

5-1. 運用監視エンジニア

運用監視エンジニアは、サーバーやネットワーク、システムが正常に動いているかを監視し、異常を検知したときに一次対応を行う職種です。監視ツールの画面でアラート(警告)を確認し、あらかじめ決められた手順書に沿って、担当者への連絡や再起動などの対応を行います。

多くのシステムは24時間365日動き続けているため、運用監視の現場ではシフト制で勤務するケースがあります。夜勤がある分、手当がつく場合もあります。

手順書に沿って進める業務が多いため、未経験からでも始めやすい職種です。システムの仕組みや障害対応の流れを実務で学べるため、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアへのステップとして選ばれることも多くあります。

運用監視エンジニアとは?未経験からの仕事内容・きつさ・キャリアアップの道筋

5-2. ヘルプデスク・社内SE

ヘルプデスクは、社員や顧客からの「パソコンが動かない」「システムにログインできない」といった問い合わせに対応する職種です。電話やメール、チャットで状況を聞き取り、解決方法を案内します。社内向けのヘルプデスクでは、パソコンの初期設定やアカウントの管理などを担当することもあります。

ITの基礎知識に加えて、相手の困りごとを丁寧に聞き取る力が求められるため、接客や販売、事務などの経験を活かしやすい職種です。

社内SEは、自社の情報システム部門で、社内のIT環境の企画・導入・運用・管理を担当する職種です。業務システムの導入や改善、パソコンやネットワークの管理、システム開発会社とのやり取りなど、仕事の範囲は企業によってさまざまです。社内SEは経験者採用が中心ですが、ヘルプデスクで社内のIT環境に関わった経験が、社内SEへのステップにつながることもあります。

ITヘルプデスクとは?仕事内容・きつい点・未経験からエンジニアへのキャリアパス

5-3. プロジェクトマネージャー(PM)

プロジェクトマネージャーは、システム開発プロジェクトの責任者として、計画の立案から予算、スケジュール、品質、メンバーの管理までを担当する職種です。顧客との交渉や、トラブルが起きたときの判断なども担います。

システム開発の幅広い知識と経験、そして多くの関係者をまとめるマネジメント力が求められるため、未経験からいきなり就くことは難しい職種です。システムエンジニアやインフラエンジニアとして経験を積み、チームリーダーなどを経てPMを目指すのが一般的なキャリアです。

前の仕事でチームのリーダーやプロジェクトの取りまとめを経験している方は、エンジニアとしての経験を積んだあとに、その強みを活かしやすくなります。

6. 未経験から目指しやすい職種とその理由

ここまで紹介した職種のうち、未経験から目指しやすいのは、手順が整っていて研修やOJTで経験を積みやすい職種です。下の図は、未経験からの入りやすさと、経験を積んだあとのキャリアの広がりを整理したものです。企業の研修内容や本人の学習状況によって変わるため、あくまで目安として参考にしてください。

未経験からの入りやすさと将来の広がりの目安。運用監視からサーバー・ネットワークへ進むなど、入口の職種から段階的にステップアップできます
未経験からの入りやすさと将来の広がりの目安。運用監視からサーバー・ネットワークへ進むなど、入口の職種から段階的にステップアップできます

6-1. インフラ系(運用監視・サーバー・ネットワーク)

未経験から目指す方の入口として、特に選ばれることが多いのがインフラ系の職種です。理由は主に次の3つです。

  • 運用・保守の業務は手順書が整っていることが多く、未経験でも仕事を覚えやすい
  • 未経験者の採用と研修に力を入れている企業が比較的多い
  • 運用監視から構築・設計へと、段階的にステップアップしやすい

インフラ系では、まず運用監視や運用・保守でシステムの仕組みを学び、次にサーバーやネットワークの構築、さらに設計やクラウドへと進んでいくキャリアが描きやすいのが特徴です。学習の範囲が明確なIT資格も多いため、勉強の目標を立てやすいこともメリットです。

6-2. テストエンジニア・ヘルプデスク

テストエンジニアやヘルプデスクも、未経験から始めやすい職種です。テストは手順書に沿って進める業務が多く、ヘルプデスクは前職での接客や顧客対応の経験を活かしやすいため、ITの知識がまだ少ない段階でも仕事に取り組みやすいのが特徴です。

テストエンジニアは開発の流れを、ヘルプデスクはIT機器やシステムの基礎を実務の中で学べます。そこからプログラマーや社内SE、インフラエンジニアなどへキャリアを広げていく方もいます。

ただし、同じ業務を長く続けるだけでは、スキルの幅が広がりにくい面もあります。応募する段階で、入社後にどのような業務へステップアップできるのか、キャリアの道筋を確認しておくことが大切です。

アドバイザーのひとこと転職相談では「最初からプログラマーになれないと、エンジニアとして遠回りになるのでは」と心配される方が多いです。入口の職種は、その後のキャリアを決めつけるものではありません。大切なのは、入社後にどんなスキルが身につき、どの方向へ進めるのかという道筋です。求人を比べるときは、最初の業務内容だけでなく、2〜3年後に担当できる仕事もあわせて確認してみてください。

6-3. 開発系は研修のある企業と学習の継続がポイント

プログラマーやWebエンジニアなどの開発系の職種も、未経験から目指すことは可能です。特に、入社後にプログラミング研修を用意している企業では、未経験からでも開発の現場に入るチャンスがあります。

一方で、開発系は人気が高く、未経験者は学習の成果を示すことが求められやすい傾向があります。独学やスクールでプログラミングを学び、簡単なWebアプリなどの作品をつくっておくと、学ぶ意欲と適性を伝える材料になります。

研修制度の内容や期間は企業によって大きく異なります。研修のある求人の選び方は、「研修あり」の未経験OKエンジニア求人とは?も参考にしてください。

7. 自分に合うITエンジニアの職種の選び方

職種を選ぶときは、年収や人気だけで決めるのではなく、「興味」「適性」「働き方」の3つの視点から考えると、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。下の図は、職種選びの考え方の流れをまとめたものです。

ITエンジニアの職種選びの考え方。興味・適性・働き方の順に考えて、入口の職種を決めます
ITエンジニアの職種選びの考え方。興味・適性・働き方の順に考えて、入口の職種を決めます

7-1. 興味:「つくる」と「支える」のどちらに関わりたいか

最初に考えたいのは、自分がどんなことに興味を持てるかです。新しいサービスや機能を「つくる」ことにわくわくする方は開発系、システムを安定して動かし「支える」ことにやりがいを感じる方はインフラ系や運用系が向いている可能性があります。

普段使っているアプリやWebサービスについて、「この機能はどうやってつくられているのだろう」と気になる方は開発系、「たくさんの人が同時に使っても止まらないのはなぜだろう」と気になる方はインフラ系に興味を持ちやすいかもしれません。迷う場合は、両方の入門書や学習サービスに少しずつ触れてみて、より楽しく続けられたほうを選ぶのも1つの方法です。

7-2. 適性:得意な作業や強みから考える

次に、自分の得意なことや、これまでの仕事で評価されてきた強みを振り返ってみましょう。

  • 論理的に考えて形にするのが好き:プログラマー、Webエンジニアなどの開発系
  • 手順を正確に守り、コツコツ取り組むのが得意:運用監視、サーバー・ネットワークなどのインフラ系
  • 細かな違いや間違いに気づきやすい:テストエンジニア、QAエンジニア
  • 人の話を聞いて困りごとを解決するのが得意:ヘルプデスク、将来的にはSEや社内SE

前職の経験はムダになりません。たとえば、接客や営業で培ったコミュニケーション力はヘルプデスクやSEで、事務で培った正確な作業はテストや運用で活かせます。

7-3. 働き方:勤務時間や職場環境の希望から考える

職種によって、働き方にも違いがあります。運用監視などの職種では、24時間体制でシステムを見守るためにシフト勤務や夜勤があるケースがあります。一方で、開発やテストの仕事は日中の勤務が中心のことが多い傾向があります。

また、同じ職種でも、どの企業で働くかによって働き方は大きく変わります。顧客先に常駐して働くSES、システム開発を請け負うSIer、自社のサービスを開発する自社開発企業など、IT企業にはいくつかの形態があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、SES・SIer・自社開発の違いもあわせて確認しておくと、求人を比べやすくなります。

7-4. キャリアの広がりから逆算する

最後に、入口の職種から将来どのようなキャリアに進めるのかも考えておきましょう。職種ごとの主なキャリアの広がりは次のとおりです。

入口の職種次のステップの例将来の選択肢の例
運用監視エンジニアサーバー・ネットワークの構築クラウドエンジニア、セキュリティエンジニア
サーバー・ネットワークエンジニア設計、クラウド環境の構築インフラの設計担当、PM
テストエンジニアテストの自動化、プログラミングQAエンジニア、プログラマー、SE
プログラマー設計、担当範囲の拡大SE、Webエンジニア、PM
ヘルプデスクIT機器・アカウントの管理社内SE、インフラエンジニア

ITエンジニアのキャリアは、1つの職種にずっととどまるとは限りません。経験を積みながら、より専門性を深める「スペシャリスト」の道や、チームやプロジェクトをまとめる「マネジメント」の道を選べるのも、この仕事の魅力です。

将来なりたい姿がある程度見えている方は、そこから逆算して入口の職種を選ぶと、遠回りを減らせます。たとえば「将来はクラウドに関わりたい」なら、インフラ系の運用・保守から始めるのが自然な流れです。

アドバイザーのひとこと「やりたい職種がまだはっきりしない」という方も多いですが、最初から1つに決めきる必要はありません。まずは「つくる」と「支える」のどちらに興味があるかだけでも整理しておくと、求人を絞り込みやすくなります。面接でも、入口の職種を選んだ理由と将来の目標をセットで伝えられると、前向きな姿勢が伝わりやすくなります。

未経験から入社したエンジニアのキャリアパス|成長のステップと将来の選択肢

8. よくある質問

8-1. 文系・未経験でもITエンジニアになれますか?

文系出身で未経験からITエンジニアになる方もいます。ITエンジニアの仕事では、数学の高度な知識よりも、論理的に考える力や、学び続ける姿勢、周囲と協力するコミュニケーション力が求められる場面が多くあります。特に、運用監視やヘルプデスク、テストなどの職種は、研修を受けながら仕事を覚えやすく、文系・未経験の方の入口として選ばれることが多い職種です。未経験からITエンジニアを目指す全体の流れは、未経験からITエンジニアになるにはで解説しています。

8-2. 職種を選ぶ前に資格を取っておくべきですか?

資格がなくても応募できる未経験OKの求人は多くあります。ただし、ITの基礎知識を体系的に学べることや、学習意欲を客観的に示せることから、資格の勉強は転職活動にプラスになりやすいでしょう。IT全般の基礎を学ぶならITパスポート試験や基本情報技術者試験、インフラ系を目指すならLinuxやネットワークの資格など、目指す職種に合わせて選ぶのがおすすめです。

未経験からエンジニアを目指す人におすすめの資格5選|選び方と勉強のコツ

8-3. 入社後に職種を変えることはできますか?

ITエンジニアは、経験を積みながら職種を変えていくことが珍しくない仕事です。テストエンジニアからプログラマーへ、運用監視からサーバーエンジニアへ、プログラマーからSEへといったように、近い領域へ段階的にキャリアを広げていく方は多くいます。社内で職種を変えられる制度や、スキルに応じて担当業務が広がる仕組みがあるかは企業によって異なるため、面接などで確認しておくと安心です。

8-4. 「SES」や「SIer」は職種の名前ですか?

SESやSIerは職種ではなく、IT企業の事業形態(働き方の形)を表す言葉です。SESは顧客企業にエンジニアの技術力を提供する形態、SIerはシステム開発をまとめて請け負う企業を指します。同じ「インフラエンジニア」や「プログラマー」でも、どの形態の企業で働くかによって、職場の環境や関わるプロジェクトが変わります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、職種とあわせて企業の形態も確認しておきましょう。

9. 未経験からのエンジニア転職はTECH STARTに相談しよう

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